かまじゅう会ブログ(ボードゲーム噺)

沖縄で平日朝からボードゲームが遊べる会の報告用とボードゲームの事を書くブログです。

エルグランデは陣取りゲームの最高峰!

ブログではご無沙汰してます、かまじです。

4月になりました。新年度ですので、新しいスタートを切るみなさんも多いかと思います。

今年は元号も変わるので、そうでない自分もなんだかフレッシュな気分ですね。

 

さて、今回はこちら!

 

エルグランデ(Wolfgang Kramer,Richard Ulrich 1995)

 

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赤ポーンも取っているクラマー&ウルリッヒコンビの大傑作、エルグランデを紹介します!

自分が所有しているのは20周年版として2015年に出た拡張全部入りで駒がミープルでかわいい、エルグランデビッグボックスです。今回紹介で使用している大体の写真はビッグボックスからのものになります。

 

 

ゲーム内容紹介

プレイ人数:2-5人、プレイ時間:60-120分。

ゲームは各国に派遣した兵士コマの数を競う、エリアマジョリティと呼ばれるシステムのゲームです。

このカテゴリーの代表作的な位置付けとして有名なゲームであります。

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パステルカラーで縁取られたスペイン各国(9エリア)にプレイヤーは兵を派遣していきます。国毎に順位毎の得点が違うので、どこにどの位の兵を派遣していくかというのを周りのプレイヤーの動向を見ながら決めていきます。全9ラウンドで3ラウンド毎に決算が行われるので、どのラウンドで覇権を狙うかというタイミングも重要になってきますね。

 

 

圧倒的なコンポーネント

そして、このゲームを唯一無二な存在たる所以。

 

それが………

 

 

 

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ほぼ!こけしなキング駒と、

 

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10番目のエリアとして存在する巨大なタワーです!

 

この存在感抜群な2つの巨大コンポーネントは見た目だけでなく、ゲームに絶妙な戦略性を与えてくれます。

キング駒がいるエリアには兵が派遣できない不可侵の領域になります。また決算時、その土地はボーナス点をもらえます。

キング駒を動かすカードは最重要なカードの1つですよ。

 

そしてタワーですが、これは10番目のエリアとして兵駒を入れておくことができます。

もちろん誰が何個入れたかは分からないのです。

そして、決算時にそれぞれ行き先を決めてからタワーの中身を公開!兵たちが各エリアへ!

この結果如何では逆転も起こりうる、熱い存在です。タワーにいっぱい兵駒を入れている人がいたら、どこを狙ってるのか気を配る必要があります。

 

この見た目もバツグンな2大要素がこのゲームをエルグランデたらしめてると思います!

もしも、キング駒が小さかったら?タワーが袋だったら?それはもう違うゲームになってたことでしょう。

 

 

そして、もう一つ見てほしい所。

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古地図を思わせるセピア調の美しいボード。スペイン各国はパステルカラーの枠で色分けされており、視認性も悪くありません。そして海には海竜などが描かれており、遊び心も素敵。

何度遊んでもウットリしてしまいます。このゲーム、アートワークにも相当な拘りを感じます。

作者がこのゲームをエルグランデ(偉大な)と名付けたのは、このゲームをまさにそうしたかったという想いがあったからではないでしょうかね。

ホントに格調高くて好きです。総合的なアートワークでは自分はこれが1番好きかもしれないですね。

 

 

基本だと意外にもカジュアル。拡張入れると一気に戦略性が高くなるゲーム性に唸れ!

アートワークが荘厳なので、さぞやゲームも難しいと思うでしょう。自分も始めはそう思っていました。

 

でもこのゲーム、実は骨子は割とシンプルなんです。プレイはまず、パワーカードを出してプレイ順を決めます。

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数字が大きいカードを出したプレイヤーからアクションできるのですが、カードは使い切り。同じ数字は出せないです。いわゆる競りですね。

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そして、プレイ順に選択できるアクションカード。キング駒を動かすカード以外はラウンド毎に変わります。

ここでどのアクションを取るか?もしくは取らせないかを考えてカードを選びます。パワーカードにはストックから手元に持ってこれる兵士の数が、このカードには各エリアに派遣できる兵の数が紐付いてるのが肝ですね。

 

基本的にはこれだけです。プレイ順を決める競りを行なってアクションカードを取っていき、兵駒を置いていくだけです。

もちろんアクションカードの効果が様々ですが、これはラウンド開始時にみんなで読み合わせればなんとかなります。

さあ後は自分の兵士をどこに置くかです!得点が高い所を狙うも良し、満遍なくばら撒いてコツコツ稼ぐのも良し、はたまたタワーに入れて一発逆転を狙うのもいいでしょう。

アクションカードには割と攻撃的なカードも多いのですが、そこは思い切り使って悲鳴だの罵声を浴びるのもオツなもんですw

 

そしてこのゲームプレイ人数2-5なんですが、

 

おそらく何人でも面白いです。

 

もちろん4、5人でワイワイやるのもいいんですが、2人でもそれはそれで読み合いが熱くて楽しめました。

 

このゲームの前年に赤ポーンを取ったカタンが遊べれば充分楽しめるルール量だと思いますよ。

 

 

 

そしてエルグランデビッグボックスには数多くの拡張が入ってます。

 

中でもこれ!

 

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【王と参謀】

という拡張を入れると、一気に戦略性がアップ!

前述したパワーカードとアクションカードが一体となり単純に競りに勝てば強いアクションが打てなくなり、ゲーマーも納得の歯応えになりました。

是非とも機会があれば、基本の後に遊び比べてみて下さい。いわゆる神拡張の1つだと思いますよコレは。

 

ビッグボックスには拡張が他にも異端審問、グランディシモや記念拡張なんかも入ってて一生遊べる仕様となっております。そんな自分もまだ王と参謀しか遊べてないので、いつか遊ばねばですねー。

 

 

クラマーの最高傑作の一つなのでみんな遊びましょう

 

またまた長くなりましたが、エルグランデの紹介でした。現在日本では入手難でして購入は難しいと思いますが、ボードゲームカフェやコレクターのみなさんは概ね所有されてると思いますので、是非とも箱絵の質実剛健さに気負わずに遊んでみて下さいね。

自分はそれほどクラマーさんの作品を遊べてないので断言するのは少しためらうんですが、この作品はクラマー&ウルリッヒの最高傑作であると思います。

20年以上前のゲームなので少し古い感じもありますが、圧倒的なコンポーネントとしっかりしたプレイ感は何物にも代え難い魅力を感じますね。

 

これを知人から安く譲ってもらえた時の嬉しさといったら…これを持ち帰った時の重さは今も忘れない良い思い出です。

まあこの後、サイズとかもっと(物理的に)重いゲームを買うようになったので自分も少しは成長したのかなあとw

 

あと、このゲームくらいから内箱を作ったりしだしたのは。全てのカードを日本語化して(データは有志の方からの頂き物です)、スリーブに入れて、内箱に仕切りをして仕分けしました。

ここまでやってるのは、自分はこのゲームだけですねw

いつかサイズもやらないとなあ…

 

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と、思い入れたっぷりのエルグランデでした。

書いてたらまた遊びたくなったので、近いうち卓を立てようっと。

 

ではまた!

 

 

 

 

第3回かまじゅう会のご報告!

こんにちは、かまじです!

おかげさまで、かまじゅう会3回目も盛況でした。

今回は9名もの参加者(うち初参加3名、その中には東京からの参加者も!)に集まっていただきました!感謝感激です!

 

 

今回はちょっと趣向を変えて…

 

「僕の私の推しゲーはこれだ!」

 

という縛りでゲーム会を進行していきました。

みなさんに大好きな、もしくは気になっているゲームを1個づつ出してもらってみんなで遊びました。

 

 

 

第1R SET&Borogove

 

SET(Marsha Falco 1991年)

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シロさんの推しゲーでした。写真は借り物ですが、色・形・塗り方・数の4種類のパターンが違うカードを12枚並べてそれから各要素が全部同じか、全部違う3枚をいち早く見つけるゲームですね。自分は正直苦手ですが、見つけた時の嬉しさが楽しいゲームでした。

 

 

そして東京から参加のまさのぶさんが持ってきたのが、

Borogove(Kory Bing 2011年)

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ルイス・キャロル不思議の国のアリスの世界観を元に造られたカードゲーム。1〜13の4セット52枚全てのデザインが違うカードで兎に角イラストがかわいい!手札をいち早く無くしていくゴーアウト系なんですが、カードの数字だけでなく◯の数が合ったカードも出せたり、最終的な得点がその組み合わせが関係してたりとゲーム性も一癖あって楽しかったです。

 

自主出版してるようで、作者さんから直接買えるそうです。遠いアメリカから反応してくれたおかんさんサンキューです!

 

 

 

第2R パレード&Squirrel or Die!

続きまして、箱絵が猫枠!

 

パレード(ホンマナオキ 2007年)

みちこさんが楽しかったのでまた遊びたいと紹介してくれた、パレード。自分は参加出来なかったですが店長インストの元、楽しく遊ばれたようです。

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これもカードデザインがとても素敵ですね。

 

 

一方アビーさん推しの、

Squirrel or Die!(Seppy Yoon 2014年)

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リスか死か!変なテーマ!

いわゆる神経衰弱なんですけど、最初に配られた手札は自分だけ見て配置できます。これを覚えておいていかにバースト(3ライフ制で0になれば死ぬ!)を引かずに生き残るかというゲームです。

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まさのぶさんが「これめっちゃいいカードですよ」いって置いてったカードをめくって2ダメを喰らい、たったの4枚捲りで死亡した馬鹿者はアタクシです…

これ、カード絵がなんか下手ウマなのもあり妙な中毒性がありましたね。すぐ終わるので、ついつい何回かプレイしちゃいました。

 

 

 

第3R 砦の守護者&村の人生

ちょっと長めのゲームも!

 

砦の守護者(Evgeny Nikitin,Nikolay Pegasov 2015年)

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砦の守護者はるうさんが面白かったからまた遊びたいと出されたゲームです。要塞に襲来するモンスターをみんなで協力して倒していく、タワーディフェンスゲーム。

自分は参加出来なかったんですが、フィギュアもあり雰囲気抜群で難易度やシナリオも複数あってリプレイ性高そうですね。電源ゲームに慣れ親しんだ人も巻き込めそうな感じでした。

 

 

村の人生(Inka Brand,Markus Brand 2011年)

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しずくさんが気になってた、ブランド夫妻作のゲームを!

ワーカームーブメントって言うのかな?アクションしたいエリアのキューブを取って、そこにワーカーを持ってくるいうとてもユニークなゲームでした。

他にないプレイ感。ワーカーが死んで得点になる場所に置ける個数に限りがあるため、ワーカーを増やしつつも狙ったエリアで殺していくというなんともいえない不謹慎な感覚を味わえましたw

どこで得点を稼げばいいのか、ワーカーの循環(増やしつつ殺す)の加減が難しくかったのですが遊べてよかったです。

ゲームは教会で毎ラウンド得点しつつ、旅を頑張ったまさのぶさんの勝利!

 

 

全体ゲーム カマリ

全体ゲームは自分がトランプ愛を勝手に語りつつ、以前トランプゲーム会で遊んで印象に残ったこちらを。

 

カマリ(与左衛門 2018年)

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10人まで対応可能なトリックテイキングゲーム。

詳しいルールはこちら↓

http://niyatsuku2.hatenablog.com/entry/kamari

 

みんな忍者となって、お城の奥へ進むほど得点が上がるのでどこで勝負するか、ハッタリや読み合いが楽しいゲームです。

これを…

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京都で会ったトリテカップルから頂いたお猿さんトランプで遊びました!

いやあ、盛り上がったなあ!これはゲーム会にとてもオススメなトリックテイキングゲームですね。

 

 

 

お代わり エスケープ&ゴルフ(トランプゲーム)

少し時間が余ったので、もう一丁!

 

たまごさんオススメの

Escape:The Curse of the Temple(Kristian Amundsen Østby 2012年)

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リアルタイム協力型脱出ゲーム!iPadから音楽流しながら(時間制限などを管理してました)10分までにみんなでダイス振って駒を動かしたり、宝石を集めたりしながら脱出を目指します。

自分は横目で見た、というか聞いた感じはとても賑やかでしたねwとても楽しそうでしたので、今度遊ばせてもらおうっと。

 

ゴルフ(トランプゲーム)

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もう一卓では、自分がオススメのトランプゲームをかわいいミツバチトランプで遊びました。

 

ゴルフという同名の1人用トランプゲームもありますが、こちらは多人数で遊べるビンゴ風ゲームです。

 

今回は「アナログゲームのルールブック」さんが紹介しているルールで遊びました↓

https://www.google.co.jp/amp/s/analoggamerule.com/trump/golf.html%3famp=1

 

6枚伏せて並べたカードを山札や捨て札と交換しながら、なるべく得点しないようにしていくゲームで相手との絡みもありつつ前述した通りのビンゴっぽいドキドキ感が楽しいゲームです。

 

 

【追記】

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それは俺の牧場だ!も遊んだんでした!

コンポーネント的には俺の魚よりも断然良かったです。中々楽しかったですね。タイトルを寄せてるのは、意味あるのかな?

【追記終わり】

 

突然思いついて今回みたいな事を試みましたが、ちゃんと推しゲーを考えてきてくれてありがとうございました!

 

そして何よりもサイコロ堂という環境じゃないと出来なかったです。インストもやってくれた店長のごうきさんにも感謝です。美味しいチョコも沁みました。

 

以下、参加されたみなさんのツイートを貼り付けときますね。これは随時更新しときます。

 

来月もやりますので、次回もよろしくお願いします!

 

 

 

 

 

 

3月14日更新↓

 

 

 

 

 

 

第4回かまじゅう会のお知らせ

平成さようなら!かまじです!

新年度慌ただしくなる時期になりますが、4月もやってまいりますよー!

 

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第4回かまじゅう会

2019年4月10日(水)10:00〜15:00

那覇市サイコロ堂にて、定員10名

参加費:500円+ドリンク代

参加条件:主催か参加者のお知り合い

 

参加表明はツイプラにて↓

https://twipla.jp/events/371303

 

会の決まりごとなどはこちら↓

https://kama10kai.hatenadiary.jp/entry/2019/01/02/081529

 

 

もし、ツイッターやってない方はこちらの記事へのコメントでも参加可能です。

 

サイコロ堂には沢山のプレイ用ゲームがありますので、身も心も軽くして起こしくださればと思います。

 

なんとか毎月開催出来てるのは、参加される皆さんのお陰です。

 

朝からボードゲーム遊びまくりましょー!

グレートウエスタントレイルを乗りこなせ!?

今回、日本語版が再販されて4月には拡張が出るという絶好のタイミングで書こうと決意したグレたん(タイトル長いので自分はこう呼んでます)。

 

グレート・ウエスタン・トレイル 日本語版

グレート・ウエスタン・トレイル 日本語版

 
グレート・ウエスタン・トレイル 拡張 北部への道 日本語版

グレート・ウエスタン・トレイル 拡張 北部への道 日本語版

 

 

グレート・ウエスタン・トレイル(Alexander Pfister 2016年 eggertspiele)

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プフィスターさんの要素てんこ盛り重ゲー。

アメリカを舞台に牛を買って、鉄道で運び、より遠くの都市へ出荷するのを繰り返すゲーム。2-4人75-150分。自分が遊んでる環境だと平均2時間いかないくらい。

 

ゲームはかつてないくらいの意欲作だと思います。デッキ構築+すごろく盤面構築+個人ボードにおっさんを雇うことによる拡大再生産。

それに多彩な得点源を用意して、色々な戦略が取れそうな感じに。その反動でルール量はかなり多め。

しかしながらプレイ自体はすごろくチックですっきりしてて遊びやすい印象です。

 

ここまで説明してて思ったんですが、まあ独特ですね色んな意味で。要所(デッキ構築部分や能力アップ個人ボードなど)を1つ1つ見れば、何かのゲームが思い当たらんでもないですが、それらが全て組み合わさってもゲームとして破綻してない絶妙なバランスの作品に仕上げてあります。プフィスターさんの頭の中はどうなってるんでしょうか?(褒めてます)

 

 

自分はこのゲームでしか味わえない独特なゲーム性にとても惹かれてます。何度遊んでも毎回新鮮なプレイ感です。

 

一体このゲームのどこがそんなに魅力的なのか?

かなり長くなりますが、思いつつがままに欠点も含めて書かせていただきますね。

 

 

 

 

 

 

 

グレたんを乗りこなせ!?

 

自分はここまであらゆる要素をプレイヤーに構築させるゲームは遊んだことがありません。

その要素とは、デッキ構築・盤面構築・個人能力構築の3点です。それのどこを伸ばし、どう組み合わせるかをプレイヤーに委ねてます。

それぞれの要素だけでもかなり複雑で、コスト管理もちゃんとやらないといけないので本来苦手な重さなんですが不思議と遊びやすいです。おそらくは、手番ごとにやることは駒を進めた先の建物などでアクションをするだけ、周回毎に短期目標を達成していくのを繰り返すというすごろく方式のおかげだと思います。

その反面、盤面の変化によって方針の変更を余儀なくされる場面がある事はとても癖が強くて合わない人には合わない要素かもしれません。特に3種のおっさんタイルの出方はランダムで、しかしながら戦略に大きな影響を与えるので「こうしたいな」と思ってても望んだおじさんが出てくれなくて、方針転換を余儀なくされる場面も。

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メインボード左下の雇用市場。ここにどんどんおっさんが供給されます。この出方が大きくゲームの展開に影響を与えます。

 

 

 

各要素が複雑に絡み合いつつも遊びやすく、でもどこかいびつな感じ。

 

 

正にカウボーイ!暴れ牛を乗りこなせ!

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プレイヤー同士の駆け引きや、タイル引きの運次第で刻々と変わる盤面に柔軟に対応し、周回毎にどう乗りこなしていくか?

 

これがこのゲームの醍醐味だと思います!

 

 

 

 

 

 

牛さんは超大事。だけれども…グレたん的デッキ構築要素。

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様々な牛さんを集めて出荷する部分。山札から初期4枚を手札に持ってスタート。ゴール地点までに手札を捨てたり、破棄しながらカードを整え出荷します。このシステム自体の仕組みは、普通にデッキ構築です。

だからといって、単純にいいカードを集めていらないカードを破棄して回転をよくしていけばゲームが上手く回るかといえばさにあらず。

何故なら…

・カードが自由に捨てれない!そのためカードの循環スピードが遅い。

・同数同種のカードはそれぞれ1枚しか出荷には使えない。

・牛カードそのものが得点になるので、カードを集めまくるプレイもあり。

・デッキ構築はあくまでもあらゆる要素の一部分。

だからです。

 

このゲーム、カードを使ったり捨てたりする所が最初は少なく、色指定の場所がおおいのでカードの循環がとても遅いです。なので強いカードを買っても使えるのはかなり後になります。

そんな状況でどうするかというと、出来るだけ多くの目に止まってカードを使っていくかカードを圧縮するか、またはその両方を進めていくでしょう。

肝心なのはゴールまでに手札を整えること。そのためにゴール付近に手札を循環する建物を建てる戦法もありですね。

また、そうした手札調整を無視して、とにかく牛を買いまくるのも割と強いのがこのゲームの面白い所(人によっては不満に感じるかもですが)。

牛さんの得点は出荷点でもあり、3点以上のカードには得点もついてます。4・5点の高得点牛を買いまくり牛カードだけで50点くらい稼げます。なので状況次第ではそこに舵を切るのもありです。

 

そして、牛さんカードの最重要な役割である出荷。ゴール地点のカンザスに着いたら手札のカードを捨てて、合計点を出し収入。そしてその点数に応じた都市へ牛を出荷することです。

それによりお金を稼ぎ、個人ボードの円ディスクを外し能力を解放することができます。

 

 

出荷点はまずは10点を目指すこと。そこにいかに早く辿り着くか?というのが序盤の大きな目標

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牛カード一覧。このカードを組み合わせていきます。

初期手札(1と2の4種のみ)は最大7点までしかいきません。なので、最低でも3牛を1匹は1周目で買っとかないと、2周目、3周目が苦しくなってきます。1回目のプレイはおススメ配置の共通建物で遊ぶ事が多いと思いますが、その場合牛買いタイルは中段にあります。その前に人を雇ったり建物を建ててお金がなく牛を買えなかった人は結構辛いセッションになることも…

逆にうまく牛を少しづつ買っていった場合、4周目くらいにカード巡りが良ければ10点以上を稼げます。そうすれば黒ディスクが外せ、手札保有枚数を増やせたり歩数アップできます。これができるようになると楽しくて仕方なくなってきますね。

 

出荷点を周回毎にきちんと上げていく。

 

これがこのゲームを攻略する上でとても大事な点です。1周目は0点都市でも構いません(出荷点以下の都市に出荷できる)。最終的に18点辺りにたどり着けばいいいのですから。

一方でデッキ構築部分はこのゲームにおいて、あくまでも一部分だけということを理解しておかねばなりません。

デッキ構築だけ頑張っても、中々うまくいかないという事はままあるのです。

 

しかしながらこのゲームの凄い所は、それを別の要素で補う事が出来るんですね。1番関わってくるのは、出荷時に使うことができる証明書ボーナス。これを集めておき、点が足りない時は補うことが出来ます。

 

 

1つの要素だけを頑張るよりは、どの要素をどれだけ組み合わせて相乗効果を狙うか?

これがこのゲームの肝な気がします。

 

例えば最大6点分の証明書ボーナスを周回毎に獲得出来る10a建物を建築出来れば、10点に必要なカードは初期手札だけでも充分です。また、列車駒を進めて駅長タイルを取ることが出来るんですがこの中に永続証明書ボーナスがあります。これらを入手すれば手札運に頼らない、より安定した高得点出荷を狙えます。

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写真左下が10a建物です。

 

 

このように、このゲームは複数の要素を戦略次第で組み合わせてプレイする事ができます。それをどのくらいのバランスで組み合わせるか?どこに限られたお金を使うのか?がとても悩ましくて独特の魅力を持っている部分だと思います。

 

 

 

 

 

 

おじさんとお金の管理が悩ましい。何を買っていくかは千差万別なり。

 

このゲームにおいて必要なコストはお金とおじさんですw

お金はあらゆる所で必要です。通行料を払ったり、建物建てたり、牛を買ったり、おじさんを雇うのに必要になってきます。

逆にお金を稼ぐ方法も沢山。通行料をもらったり、指定色のカードを捨てて獲得、そして出荷するときの牛さんカードの合計など。

 

そしておじさんです。カウボーイ、建築士、機関士と3種のおじさんがいます。

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獲得したおじさんは個人ボードに並べます。

カウボーイを雇うと、より高めの牛や効率よく買えることができます。

建築士は建物毎に必要な人数がありますので、建物プレイするためにはある程度は雇わないといけません。

機関士は雇ってる人数が、機関車を進める時に一度に進めるトラック数になります。

 

ユニークなのは特別なボーナスを得られるマスの存在。ここをおじさんで埋めると即時に恩恵を得られるんですが、ここは空けてまた埋めれば何度でも効果を得られるんです。

どうやって空けるかというと、列車駒を線路トラックを進めていくと獲得できる駅長タイル。

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これはコストとしておじさんタイルと交換する必要があるんです。

駅長タイルは即時効果と最終得点ボーナスが得られ重要なタイルです。

自分のリソースに見合った駅長タイルを獲得し、そのために空けた個人ボードにまたおじさんで埋めるというコンボが決まると気持ちいいですよ。

 

ただし、やり過ぎも良くない場合もありますので注意です。おっさんは拡大再生産のための重要なエンジンです。またそれぞれのおっさんは5人以上雇ってゲームを終えると得点になりますので終盤の選択肢におじさん雇い入れも大いにありです。

 

この辺りのコスト管理の絡み具合がたまりません。周回毎に得たお金をどこに当て、どう成長していくか?今何が必要なのか?相手が何を狙ってるのか?をよく考えながら自駒を進めていくことになるでしょう。

 

やはりこのゲームも、

 

お金は大事だよー!

 

ってことですなw

 

あと、

 

タイミングも大事だよー!

 

相手より先を急いだり、逆に牛歩プレイしたりと自駒の調整をして各タイル、カードを購入する必要がでてくるはずです。これとても重要。

 

 

 

 

 

 

 

 

1番悩ましい建築要素。どこにどの建物を建てるかはセンスを問われます。

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自分だけのアクションスペースである、建物。このゲームは共通建物以外の空きスペースに各プレイヤーが自分の建物を建てていきます。

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建物タイルは両面仕様。初回はa面推奨。慣れてきたらランダムでもOKです。共通建物の配置もランダム配置できます。

 

これを自分の戦略や盤面を照らし合わせながら、どこに建てていくのか?

 

これがとても難しいです。自分も未だによく分かりませんw

こんな自分でも1つだけヒントを言わせてもらうと、建物立てたり人を雇う共通建物の前に、交通手形を徴収するタイルを建てるのは大変嫌らしくも有効ですw

 

ここは確実に経験差が出てくる所なんですが、遊んでるうちにどの空き地が重要か見えてくるはずです。そして建築プレイに走りたいプレイヤーは早めに土地を押さえるのが重要になってきます。

コストが高い建物は、建て替え(前の建物との差分のコストで済む)を駆使することになります。将来的には建て替え後の建物になる事を想定して空き地に建てていきましょう。

 

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盤面が建物で埋まる終盤は、歩数アップ能力やスキップ建物が重要になってきます。

 

 

 

 

このゲームにしかない魅力が確かにある。バランスのいびつさは拡張に期待。

大変長くなりましたが、グレたんの紹介は以上となります。

ここまで書いといてなんですが、人は選ぶゲームだとは思います。色々と戦略を試したいのに、ランダム要素のおかげでやりたい事ができない事がありますから。

でも、そこを理解した上で何度でも遊んでやるぜ!と意欲のある人や、ここまで読んでワクワクした人は極上の体験ができるプレイに巡り会えるはずですw

 

日本語版が再販されたこのタイミングで、是非ともチャレンジしてみてください。

 

ゲーム自体は長時間ながら大変遊びやすいすごろくゲームですよ。

 

一方インストは大変ですので、公開されているサマリーなどを参考にしながら、みんなで何周かトラックを試走してから本番という流れをオススメします。

 

再販版は直ってると思いますが、日本語版の初版はルールブックに重大なエラッタがありましたのでご注意下さいませ。遊ぶ前にメーカーのページを念のためチェックしておけば安心ですね。

 

 

そして今年4月に出る拡張でこの遊び味がどう変わるか、とても期待しています。カウボーイ戦略に対抗できる戦略が増えたらいいな。

 

拡張遊んで良かったら、また記事にしますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月になりました!第3回かまじゅう会のお知らせ!

3月ですね、そろそろあったかくなってきます。

つまり春です!

 

そして、かまじゅう会もやりますよ!

 

 

第3回かまじゅう会

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3月13日(水)10時〜15時

那覇市サイコロ堂にて、定員10名

主催か参加者のお知り合い限定。500円+ドリンク代

 

参加表明はツイプラにて↓

https://twipla.jp/events/365812

 

会の決まりごとなどはこちら↓

https://kama10kai.hatenadiary.jp/entry/2019/01/02/081529

 

 

もし、ツイッターやってない方はこちらの記事へのコメントでも参加可能です。

お知り合い限定の会ですが、お気軽にお気楽に、身1つで遊べる会ですのでよろしくお願いします。

 

 

王と枢機卿 日本語版のススメ

何故か先日ハンザの記事を書いたばかりなのに、シャハト先生のこの大傑作を紹介することになろうとは。きっかけはこのやりとり…

 

 

正座待機されたら、書くしかないでしょーw

 

そんな、なかとーさんは北海道は旭川在住のイケメンボードゲームブロガーです。

ブログはこちら↓

https://www.unibodo.com

 

王と枢機卿のざっくりとした紹介

ホント長年世界中の人に遊ばれて、リメイク版も今年で3つ目が出るくらい愛されてる作品なので皆さんご存知かと思われます。なのでこの記事は作品自体の魅力はコンパクトに紹介させていただいて、別の角度からの切り口を見せていこうかなと考えてます。では。

 

王と枢機卿(Michael Schacht 2000年)

作者はハンザの紹介時に熱く語ったシャハトさんです。3〜5人。BGGでは50-60分とありますが、30分くらいで終わります。驚異のスピード感があるエリアマジョリティの傑作です。

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大胆に色分けされたヨーロッパ各国に修道院コマ(家)と枢機卿コマ(円柱)を配置して、各エリア毎にそれぞれの駒の最大配置数を競い合います。

駒の置き方はそれぞれルールがあり、3枚の地域カード(1色につき2国選べる)を使って2個までのコマを1つの地域に置くことができます。

ともすればダウンタイムが長くなりそうなジャンルですが、このカードプレイのおかげで選択肢は狭まりとてもスイスイと進行していきます。

しかしながら、シャハトさんの真骨頂である得点システムのおかげでとても心地よいジレンマを感じられる傑作となってます。

 

後の作品にも多大な影響を与えたとされる、得点システムはBGGにて日本語版ルールが公開されてますので興味ある方は是非ご覧になって下さい。拡張ルール入れても4ページというコンパクトさです。

https://www.boardgamegeek.com/filepage/101654

 

 

日本語版が完璧過ぎてヤバい

そんな名作ですが、2014年に熊本のゲームフィールドさんというショップから日本語版が発売されてるって知ってますか?今回の記事、この日本語版の素晴らしさを伝えることをメインに据えようと思います。

それくらい完璧なんです!元版しか遊んでなくて何を今更…とか思う方もいらっしゃるかもしれませんが、是非とも日本語版を手に取っていただきたく取り上げようと決意しました。

以下、その日本語版だけにある魅力をお伝えします。

 

箱絵のロゴなどのアートワークが完璧。作品愛に溢れている。

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まずはこのロゴ!素晴らしくないですか?

ちなみに元版は↓

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比較しても遜色ないし、あわよくば勝ってないですかねコレ!?「と」と「&」のデザインを寄せてる所なんか神ロゴですよコレは!

自分は圧倒的に日本語版が好きなんです。サイコロ堂にはこのGold Sieber版があるんですが、実際に見ても日本語版は原作の雰囲気を残しつつちゃんと日本語ロゴであるという至高の出来栄えだと思います。

 

 

さらに中身にも手を加えてて、

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日本語版は色覚障害対応してるんです!この細かい気遣い、恐れ入ります。

これも元版は↓

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特に緑色が他色と判別つきづらいのですかね。他の色もよりハッキリとした色に変更しているようです。

 

こうした、大胆な変更をやり遂げられています。

これはただ日本語ルールをつけて出すだけじゃ許さない、ショップさんのただならぬ作品愛が伝わってきますね。

作者であるシャハトさんとも交渉をしっかりとなさって改変されてると聞きます。作者への深い尊敬と惚れ込んだ名作をより多くの人に遊んで欲しいという想い…こんなお店が日本にあることに感動&感謝です。

 

 

なんと拡張が2つも!2人用ルールもあるよ!

はい、これが決定打です。なんと日本語版には、拡張が2つも入ってるんですよ!凄くないですか?

正に決定版です。それでは2つの拡張を簡単に紹介しますね。

 

拡張:バチカンルール

これは得点システムに深みを与えるルールです。

各地域の修道院枢機卿の得点を跳ね上げる、回廊と審議会を示したバチカンボードなるものが加わります。

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プレイヤーはここに枢機卿コマを送り込むことで、その地域の修道院枢機卿の得点を倍に出来ます。

このちょい足しルールが程よくゲームに深みをもたらし、基本を遊んでちょっと味気なかった場合には是非これを導入して遊んでみて下さい。

きっと唸るはずですw

 

拡張:対決ルール

王と枢機卿、紹介では3人からとありますがなんと日本語版は2人用ルールが入ってます!そしてこの2人用ルールが秀逸なんですよ!

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2人用で追加されるカードです。

王というダミープレイヤーを入れて遊ぶんですが、この王が支配している地域を取り合うんです。

また王の駒もその手札の中でですが、プレイヤーがどこに配置するか選べるのです。

自分に有利になるように、うまく王という存在を使わなければならず通常のプレイとは違った面白さを体験できると思います。

 

 

結論。みんな、日本語版を買おう

いかがでしたか?王と枢機卿 日本語版いいでしょ?

カードをプレイしてコマを置くだけなのに、ここまで深みと切れ味を感じるゲームは中々ないと思います。そしてこの愛に溢れる日本語版の存在。

こうした作品への尊敬と愛情を込めて日本語版を作ってくれるパブリッシャーが日本にあるという事に、改めてこの記事を書いてて感謝したい気持ちになりました。

これはまさに王と枢機卿の決定版ですので、遊ばれてなくて興味のある方は是非まだ手に入る内に日本語版を買われることを強く強くオススメします。

 

ゲームフィールドさんの通販ページはこちら↓

http://gamefield.sakura.ne.jp/products/detail.php?product_id=452

 

忘れてましたが、マップボードも両面仕様で3-4人戦用マップも日本オリジナルで入ってるそうです!

いやあ、これは持っといても損はないと思いますよー。

何度も言いますが、後悔なきよう手に入る内に購入されることをオススメします。

 

ではでは。

 

 

ハンザ-いつでも何度でも遊びたいボドゲ その3-

ハンザ(Michael Schacht 2004年)

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いつでも何度でも遊びたい、オールタイムベストなボドゲの紹介第3弾です。

いきなり余談ですが、タイトルにゲーム名入れないと判別しにくいなあと今回からタイトルにボドゲの名前をいれました。ブログ初心者なのでお見苦しいところも多いですが、文章の書き方やレイアウトも含めてこれから勉強しながら書いていきますので暖かい目でご覧下さいw

 

作者のシャハト氏について

自分はシャハト氏の作品が大好きです。といっても所有はコロレット10周年版、ムガル、セレンゲティ、王と枢機卿、Sprits of the Forest(リシュリーのリメイク作)と今回紹介するハンザくらいですが。

シャハト氏の代表作といえばやはり王と枢機卿。そして赤ポーンを獲ったズーロレットが有名ですかね。あとはパトリツィアとか。

初めて遊んだシャハトゲーはコロレットですが、山札を捲るか並んだ場札を取るかの2択であそこまで悩ましく相手との絡みが強いゲームは当時遊んだ事くて、非常に感動した記憶があります。自分がボードゲームにハマったきっかけの作品の一つですね。

シャハト氏のゲームは極限まで削ぎ落とされたシンプルなゲーム性と、それと対照的なインタラクションの強さを感じさせる作品が多い印象です。

 

最近はリメイク作や軽めのゲームを多く出しておられますが、自分は過去の作品をまだ少ししか遊べてないので今後も追っかけていこうと思います。

 

 

ハンザってどんなゲーム?

そんな大好きなシャハト作品の中で、1つ選ぶなら自分は現時点ではハンザを選びます。何故かという理由は後述しますが、まずはどんなゲームか紹介いたします。

ハンザはバルト海とその周辺の都市が舞台となっているアクションポイント制のピック&デリバーです。2〜4人60分級。

一隻の船に乗り合わせた商人達が自分の番が来たら手持ちのお金を使って船を進め、各都市にランダムに配置された商品チップを買って、自分の支店がある所で商品を売る事で勝利点に変換します。

このゲームの大きな特徴は、行動の指針となる船駒が1つだということと、一方通行が多めのマップ構成にあります。

Aさんは支店を左下に固めてるのでそこに行く。次手番のBさんの拠点は右上と遠い。ならば左下からそこを目指すか、それとも左下のAさんの独占を崩すためにまた左下に回るか、といった独特のインタラクションが産まれるのです。

いかに自分が一番得するように商品を獲得して売りきるか、そのために相手の動向を見極めつつどういうルートを辿るかが大変悩ましく楽しい作品です。

手番毎に盤面が変わるため、ダウンタイムは長めですがゲーム自体は60分ほどで収束するのでゲーム初心者のみなさんも是非とも遊んでいただきたい中量級です。

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ハンザのここが大好きだ!

1.一隻の船にみんなが同乗するが故の唯一無二なインタラクション

紹介の項目でもゲームの特徴として述べましたが、自分はこの要素が大好きなんです!

あの人はあそこに行きたいはずだから、ここに行っとこう。彼が自分の所に支店を置いてきた!ならばこのエリアを捨てて別で拠点を築くか…などなど。

強烈な絡み合い。これも前述しましたが、一方通行多めなマップのおかげで前の人があるエリアに入るとどこかから軽い悲鳴が上がることもw凄い遠回りを強いられる場面も出てきます。

最近のゲームは個人ボードがあってそこに集中しがちですが、このゲームは必然的にメインボードや相手を見ながらプレイすることになります。いやあ、こういうゲーム昔はいっぱいあったなあと思います。やっぱり好きだなあ、この絡み合い。

次手番の人が損するような場所にいったりするような嫌がらせも可能ですし、あえて動かないという選択肢を取る場面もあります。みんなでワイワイ煽ったり、文句言いながら遊んでくださいw

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海路の矢印が中々にいやらしいのです。

 

 

2.商品を買う、支店を置く、商品を売るという行動が3すくみ!やりくりが楽しい!

商品を買うにはお金が、支店を置くには商品が、それを売るためには支店がある都市じゃないと売れないという3すくみ!

そこに支店数がトップの都市ならばただで商品がゲットできたり、商品を売ると支店数が減るというスパイスが効いてて、どういう風に船を動かせながらこの流れを作り出すかがとても楽しいです!

一箇所の都市では1アクションしか出来ないため、1手番中どこで商品を獲り、どこで売るかを計算しながら船を進めることになります。商品はどんどん無くなっていくのですが、誰かが補充してくれるのを待つかそれとも自分でやるか(1金かかります)も熱い我慢比べが…

また、行動の原動力となるお金も手番開始時常に3金ではなく、前手番残してたものやボーナスもあるので多い時は7金スタートすることも可能です。

お金や商品チップを上手くやりくりして、一気に沢山の商品を売りきった時の快感たるや…是非とも体験して欲しいですね!

 

3.商品を売りまくるか支店を置きまくるか得点システムが秀逸。

ゲームの得点は最後に計算します。得点源は大きく分けて2つ。1つは、所有する商品チップの総数+売った商品チップの樽(チップ内に1〜3つ描かれている)の合計点。もう1つは支店を置いた都市毎に得点ですが、独占してれば4点、誰かと一緒なら2点となります。

このゲームは全てが公開情報なので、誰が多く商品を持ち売ってるかは一目瞭然なのです。後半は熱い売りまくり合戦が繰り広げられるでしょうし、それを尻目に支店をバラまくプレイに走る人も出ることでしょう。

シンプルながらも見通しがよい、得点システムだと思います。これならば重めのゲームを普段遊ばない人でも勝負になるかと思います。だって、商品を売ったり支店を置けばいいんですもの。分かりやすい。

 

 

まとめ。ハンザ日本語版が絶賛販売中だからみんな買って遊んで!

以上、ハンザの紹介でした。

シャハト作品の良さってルール自体はとてもシンプルなのに、しっかりとしたジレンマやプレイヤー間の絡みを感じさせてくれる所なんですよね。

で、このハンザはマップや駒がかわいくてシステムもギスギスしすぎずとても優しく感じるんです。

さじ加減が絶妙なんですねとにかく。未プレイの方は是非とも遊んでいただきたい一品です。

 

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シャハトさんはアートワークも手がけられてます。

このボードデザイン、自分はかなり好きです。地図ってやっぱりいいですよね。船や商品チップ(樽のやつ)もかわいい。

 

 

 

そして、この記事を読んで遊びたいなと思った方に耳寄りな情報が。

なんとこのゲーム、最近日本語版が出てます。熊本のボードゲームショップ、ゲームフィールドさんが素晴らしいロゴデザインをあしらったハンザ日本語版を発売中です。

 

ハンザ日本語版

http://gamefield.sakura.ne.jp/products/detail.php?product_id=536

 

ハンザ拡張 変化の風

http://gamefield.sakura.ne.jp/products/detail.php?product_id=317

 

日本語版は自分もまだ購入してませんが、作者による新規マップやミニ拡張も入ってますので近々買い直す予定です。

ぜひ、みなさんもチェックしてみて下さい。